ISO22000/FSSC22000

ISO22000:2005/FSSC22000:2009 食品安全マネジメントシステム

Ⅰ.食品関連企業にも国際標準化が進んでいます。

1.商取引のグローバル化→均一な商品の供給→共通の品質管理システム

欧米では日本より早くグローバル化が進行し、国際的な商取引の品質保証能力を判断するための基準として、国際標準化機構(ISO)により1987年ISO9001が制定されました。
食品安全については、1960年代にアメリカで開発されたHACCPシステム(危害分析・重要管理点方式)が既に食品製造企業に採用されていましたが、各国が個別に審査認証しており、国際的に共通したシステムにはなっていません。また、HACCPシステムは食品製造の現場における管理を目的に作られたもので、マネジメントの視点が欠如していました。このことより、HACCPシステムをベースとして国際的に共通な食品安全に関する管理の仕組み、さらに、企業のマネジメントシステムの中で管理できるような仕組みとしたISO22000規格が2005年に制定されました。(ISO22000:2005)
ISO22000規格は、食品に関連する広範囲の企業(フードチェーン)の食品安全を目的とした管理の仕組み(マネジメントシステム)を提供するものです。

2.ISO22000規格とは

  • (1) 国際標準化機構(ISO)が定めたHACCPの要求事項を含む要求事項(しなければならないこと)からなる食品安全管理の世界標準システムです。
  • (2) 安全性の基準値を定めたものではなく、企業全体で取組む食品安全マンジメントシステム(仕組み)のモデルを示したものです。
  • (3) 検査で製品の安全性を確保するのではなく、製造工程を含めた企業全体の管理システムにより、製品の安全性を保証しようとするものであり、安全性を脅かす危険性のある工程、業務に基準を設け、それを徹底的に管理することを基本としています。

3.取得企業の広がり→HACCP対象業種から食品製造業・サービス業全般へ

従来、日本のHACCPは厚労省が定めた食品衛生法における「総合衛生管理製造過程」(HACCP)の対象業種を中心に行われてきました。HACCPシステムを取り込んだ国際規格ISO22000が制定されたことにより、食品安全を目指す食品製造業、さらに食品に関連する製品の製造業、サービス業にISO22000の認証取得が拡大しています。

4.一般衛生管理事項の充実の動き(FSSC22000への展開)

一方、2008年にISO22000の7.2項の詳細としてハード及びソフトに対して要求事項と推奨事項を定めた食品製造業向けの「食品製造のための食品安全に関する前提条件プログラム」であるPAS 220:2008がBSI(英国規格協会)から発行され、GFSIでは、「ISO 22000 + PAS 220」としてFSSC22000という認証スキームを開発しました。(FSSC22000:2009)
国際標準化機構では、現在のISO22000では一般衛生管理に関する事項が弱いという見解でPAS 220:2008を原案として2009年にISO 22002-1を発行しました。

GFSI(Global Food Safety Initiative)
 世界で唯一の独立した食品のネットワークであるCIESフード・ビジネス・フォーラムが運営する非営利団体。

5.FSSC22000の認証審査スキーム

JAB(日本適合性認定協会)は、2010年からいくつかの国内認証機関を認定し、海外認証機関で開始されたFSSC22000認証制度は、日本国内でも審査登録できることになりました。一部の企業で始まったFSSC22000認証登録の動きは、大手流通業者を通じて広く普及してゆく可能性が出てきました。
FSSC22000の認証を目指す場合、前提としてISO22000の認証登録が必須となります。

II.ISO22000

1.ISO22000規格の目的は?

  • (1) 企業が、安全な食品(製品)を常に提供できることを証明する。
  • (2) 企業の食品安全に対する管理能力に対して取引先、顧客から信頼感を得る。
  • (3) 取引先、顧客、公的機関などが企業の食品安全に対する管理能力を評価する場合の基準となる。

2.ISO22000規格の登録認定は?

国際標準化機構(ISO)より認定を受けた審査登録統括機関から実際の審査機関として認定を受けた機関(例えば日本品質保証機構JQAなど数社)が、企業のこの規格の構築、運用状況を審査し合格すれば認証を与える。

3.ISO22000:2005(FSMS)規格の構成

ISO22000:2005(FSMS)規格の構成
マネジメント 食品安全マネジメントシステム
経営者の責任
4章
5章
プロセス 資源の運用管理
安全な製品の計画及び実現(PRP+HACCP 7原則12手順)
食品安全マネジメントシステムの検証、妥当性確認及び改善
6章
7章
8章

4.ISO9001など他の規格との関係

ISO22000規格は、ISO9001規格の要求事項をベースに制定されていますが、ISO9001が顧客満足を目標にしているのに対して、ISO22000は食品安全に焦点を絞ってつくられています。

FSSC22000と他の規格との関係
FSSC22000と他の規格との関係

5.ISO22000規格の内容は(実際にすることは)?

  • (1) 経営トップは食品の安全に対する責任を明確にして、食品の安全性を確保するための方針を出し、リーダーシップを発揮しなければならない。
  • (2) 食品安全チーム(技術専門家)による、情報収集と危害分析の実施(HACCP
  • (3) HACCPシステムに従った企業の業務手順をマニュアル・手順書に文書化し、それに従った作業を行い、証拠となるように記録を取ること。
  • (4) 定期的に運用状況をチェックし、継続的に食品安全マネジメントシステムの改善を行い、有効性を確認すること。

6.ISO22000:2005規格要求事項

Title 食品安全マネジメントシステム
-フードチェ-ン全体における組織に対する要求事項
HACCP
ISO9001との関連
序文 4要素(マネジメント、HACCP計画書、前提条件、コミュニケーション)  
1. 適用範囲  
2. 引用規格  
3. 用語及び定義  
4.
食品安全マネジメントシステム  
4.1 一般要求事項  
4.2 文書化に関する要求事項 手順12 【原則7】
5.
経営者の責任
ISO9001 5章
5.1
経営者のコミットメント  
5.2
食品安全方針  
5.3
食品安全マネジメントシステムの計画  
5.4
責任及び権限  
5.5
食品安全チームリーダー  
5.6
コミュニケーション ⇒ 新規/強化
5.7
緊急事態に対する備え及び対応 ⇒ 新規/強化
5.8 マネジメントレビュー ⇒ 新規/強化
6.
資源の運用管理 ISO9001 6章
6.1
資源の提供
6.2
人的資源
6.3
インフラストラクチャ-
6.4 作業環境
7 安全な製品の計画及び実現  
7.1 一般  
7.2 前提条件プログラム(PRPs) PAS220(ISO22002-1)で詳細な要求事項を規定
7.3 ハザード分析を可能にするための準備段階 手順1、2、3、4、5
7.4 ハザード分析 手順6 【原則1】
7.5 オペレーションPRPの確立 ⇒ 新規/強化
7.6 HACCPプランの作成 手順7 【原則2】 手順8 【原則3】
手順9 【原則4】 手順10 【原則5】
7.7 PRP及びHACCPプランを規定する事前情報並びに文書の更新  
7.8 検証プラン 手順11 【原則6】
7.9 トレーサビリティシステム  
7.10 不適合の管理  
8. 食品安全マネジメントシステムの妥当性確認、検証及び改善 ISO9001 8章
8.1 一般  
8.2 管理手段の組み合わせの妥当性確認 ⇒ 新規/強化
8.3 モニタリング及び測定の管理  
8.4 食品安全マネジメントシステムの検証  
8.5 改善 ⇒ 新規/強化

III.FSSC22000 <ISO22000 + PAS220(ISO22002-1)>

1.PAS220(ISO22002-1)の概要

  • (1) ISO22002-1の適用範囲には、ISO22000の上乗せ規格であることが明記されています。したがってFSSC22000の認証登録にはISO22000の認証登録が必須である。現在ISO9001のみ取得企業は、ISO22000の認証とISO22002-1の認定の両者が必要となります。2009年版であるISO22002-1は、“第一部 食品製造”を適用範囲としています。
    (ISO22002-1:2009)容器等については今後ISO22002のシリーズ化を準備しています。
  • (2) 構成は、序 適用範囲等 0章~18章からなる。
  • (3) 要求事項の危害分析の結果で除外の妥当性を証明すれば適用除外が可能です。
  • (4) 特に、ハード面のshall項目は、適合しないと認証されません。
  • (5) バイオテロ対策もハザード分析を経て設定することが要求されている。 ISO22000取得済み企業もバイオテロのリスク分析を追加して バイオテロ対策管理手順を定めるが必要あります。
  • (6) 敷地や空間の要求事項や施錠、着替え、空気差圧、照明の飛散防止対策、フォークリフトに対する要求事項などの要求事項に応える為ハード面での改良が必要な可能性が高い。

2.PAS220:2008/(ISO22002-1:2009)の要求事項

Title 食品製造における食品安全の前提条件プログラム
序文 ISO 22000と併せて使用されることを意図されている
1. 適用範囲
ISO 22000:2005第7項に規定された要求事項に対処するような方法でPRPを実施する事を希望する全ての組織に対して適用できる。
2. 引用規格
3. 用語及び定義
4.
建物の構造並びに配置 ISO22000 7.2.3 a)
5. 構内及び作業空間の配置 ISO22000 7.2.3 b)
6. ユーティリティ-空気、水、エネルギー ISO22000 7.2.3 c)
7. 廃棄物の廃棄 ISO22000 7.2.3 d)
8. 装置の適切性、清掃・洗浄及び保守 ISO22000 7.2.3 e)
9. 購入した資材の管理 ISO22000 7.2.3 f)
10. 交差汚染の予防手段 ISO22000 7.2.3 g)
11. 清掃・洗浄及び殺菌・消毒 ISO22000 7.2.3 h)
12. 有害生物の防除 ISO22000 7.2.3 i)
13. 要員の衛生及び従業員施設 ISO22000 7.2.3 j)
14. 手直し ISO22000 7.10.1、7.10.3
15. 製品リコール手順 ISO22000 7.10.4
16. 倉庫保管 ISO22000 7.2.3 f)
17. 製品情報/顧客の認識 ISO22000 5.6.1
18. 食品防衛、バイオビジランス及びバイオテロ 新規

IV.仕組みを作り上げるにはどうすればよいか

1.取り組み体制

何よりも経営トップの不退転の決意とリーダーシップが必要です。忙しさを理由に後回しや、中断すると再開は大変難しい。タイミングをはかり、やるとなったらやり遂げる覚悟を経営者自身が持つことが重要です。
実際の活動は全ての従業員が担うわけですから、推進グループ(食品安全チーム)から全従業員へのISO22000の仕組みで実施する業務手順の教育は重要です。
なお、食品安全チームメンバーには、一定の知識経験が備わっていることが求められています。

2.認証取得スケジュール

認証取得準備のためのスケジュールを一般化すると次図のように、ほぼ12ヶ月の活動になりますが、期間は各社それぞれの規模や業務内容、他のマネジメントシステムの運用状況、取得活動の程度により異なります。

<認証取得スケジュール例>

活動・支援項目  (  ):意識する規格 スケジュール(経過月)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
 1 導入   (ISO22000)                    
 2 現状把握   (PAS220)                    
 3 改善   (PAS220)                      
 4 危害要因の分析の準備   (ISO22000)                    
 5 一般的衛生管理事項の整備   (PAS220)                    
 6 危害要因分析とCCP/oPRP決定                    
 7 CCP/oPRP の管理基準手順の確立                    
 8 食品安全マニュアル作成   (ISO22000)                  
 9 現場手順書帳票類の整備   (PAS220)                
10 従業員への教育・運用                    
11 内部監査員養成   (ISO22000)                      
12 内部監査実施   (ISO22000)                      
13 FSMSの改善/模擬審査                      

ISO/FSSC22000

主な構築イベント及び
審査関連スケジュール





       















st



nd



  • ※構築推進活動期間は、ISO9001などのマネジメントシステム未構築の組織は、3ヶ月程度加算されます。
  • ※ISO22000をすでに運用中の組織がFSSC22000へレベルアップする場合は、3ヶ月短縮がひとつの目処になります。
  • ※実際には お客様の現況により スケジュールの最適化が必要になります。
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