コンサルティング事例

輸入業者としてのISO13485認証取得

1.認証取得範囲

  • サイト:本社、 支社、 事務所
  • 業 種:医療機器製品の輸入・販売
  • 従業員:約80名

2.企業の概要、ニーズ

  • 医薬品医療機器等法(薬機法)ならびにQMS省令の施行により、輸入業者にQMS省令の実施義務が発生したため、関連性が高いISO13485の認証取得を決定した。
  • 同社はこれまで、ISO9001を運用していたが、取扱製品である「医療機器」向けのセクター規格であるISO13485での運用が、より業務に適していると判断した。

3.実施内容

  • (1) 業務分析と業務フローの作成
    現行の業務内容とISO13485の要求事項の関連性を明確にできる「業務フロー」を作成し、関係者全員に情報共有することで、全体業務の見える化ができるとともにISO13485の規格要求事項の理解を深めた。
  • (2) 医療機器用品質マニュアル等の文書作成
    前述の業務フローや現行の業務ルールに沿った「ISO13485品質マニュアル」を作成したのち、追加要請のあった「QMS適合性調査にも対応」できるよう、QMS省令にも適合した内容に改定した。また、医療機器の製造では重要性が高く構築の難しい「リスクマネジメント規定」のほか「ISO13485固有の関連文書や記録類」についても、各業務担当者とよく協議し理解してもらいながら共同制作した。
  • (3) 改善を指摘できる内部監査員の養成
    内部監査は「本来業務の改善」を主眼に置いて、同社の品質マニュアル等の文書による実習・演習を中心とした内部監査員養成セミナーを開催した。加えて内部監査自体にも立合い、補足の指導を実施した。その結果、「従来の内部監査よりレベルの高い内部監査ができた」との評価を得た。
  • (4) 審査への対応実施
    医薬品医療機器総合機構(PMDA)によるQMS適合性調査では、要望に応じて審査への立合いを実施し、審査指摘事項の内容理解とその対応策構築について効果的な支援ができた。
    結果、審査対応に対するお客様の不安を軽減できたのではないでしょうか。

4.結 果

  • 当初の目的である審査機関によるISO13485認証取得に加え、PMDAによるQMS適合性調査の認証取得を達成することができた。
  • お客様の声
    約1年間にわたりコンサルティングを受けたことで、認証取得に向け何をどのように準備すれば良いのかよく理解でき、かつ実施できた。また、業務分析を通じて日常実施している業務が、ISOの要求事項に合致していることが理解でき、関係者は自信をもって運用することにより、審査やQMS調査にも対応することができたことが大きかった。